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戦評

平成27年度関西学生春季リーグ第5戦 対近畿大学

春季リーグ第5戦、相手は近畿大学。個々の能力が高く、波に乗ると手のつけられない相手である。そのような相手を前に関大がこれまで通りディフェンスを機能させ、しっかりとした内容のゲームができるかが焦点となる。

立ち上がり四回生熊代がパスカットからの速攻で先取点をあげる。このまま波に乗りたいところであったが、攻撃でのミスが多く、ペースをつかむことができない。しかし徐々にディフェンスが機能し始めた中盤、四回生柏木、主将西塚の速攻や二回生石田のミドルシュートなどで得点を重ねる。また三回生GK衣笠が7メートルスローを2本連続シャットアウトするなどで一時4点差をつける。このまま差を広げたいところであったが、終盤ミスを重ね、逆速攻を浴びる。結局14対14の同点に追いつかれて前半を折り返す。

ハーフタイム、自分たちのミスで苦しい試合をしてしまっていること、また気持ちの面で受けに回っていることを指摘する。後半はより丁寧なプレーを心がけ、全員で声を掛け合って戦うことを確認し合って後半へと臨む。

後半に入ると四回生森、三回生須田が冴えを見せ、得点を重ねる。また守っては二回生GK出原が好セーブを連発し、波に乗る。一時5点差をつけ、このまま押し切るかに見えたが前半同様ミスから逆速攻を浴び、残り5分を切ったところで2点差まで詰め寄られてしまう。しかしここで三回生田辺が鋭いシュートを決めて押し返し、31対28で関大の勝利となった。

今日の試合は本当に苦しかった。その原因はやはり攻撃でのミスに尽きる。特に前後半ともに突き放したい場面でシュートまで行けないテクニカルなミスをおかしている。そのミスから逆速攻を浴び、差を詰められるという悪循環に陥ってしまった。学生には猛省を促したい。やはり練習から丁寧なプレーを心がけねばならない。そしてミスが出た後、素早く対処することも求められている。このような当たり前のことを当たり前にできるようにならなければ成長はない。学生は自省し、次につなげてほしい。

また、前半守りで足が動かず、受けに回った場面があったことも反省材料である。今季、関大の強みはディフェンス面の安定にある。ディフェンスが安定したからこそ攻撃面にも好影響を及ぼしたのである。しかしひとたび今日の試合のようにディフェンス面で受けに回るとたちまち攻撃面にも悪影響を及ぼしてしまう。このことを絶対に忘れてはならない。これまで必死で声を出して足を動かしたからこそ守り切ってきたのである。攻撃面同様至極当たり前のことが一番大切なのである。今日の試合で再認識できたと思う。次につなげたい。

しかし苦しい試合ながらも勝ち切ることができたのは収穫である。これまでならばズルズル相手のペースとなる場面でも踏みとどまることができた。これはやはり力がついたからであろう。学生の成長を実感できた場面である。だからこそ成長を自らの手で止めてしまうような試合をしてはいけない。それは自分の値打ちを下げることにもつながる。猛省するとともに次戦への課題としてほしい。

今日の試合で楽に勝てる相手などどこにもいないということが身に沁みてわかったと思う。そして自分たちの100%の力を出し切ることの難しさもわかっただろう。次戦はライバル関学戦である。勝てば優勝という大切な試合となる。しかしそんなことを考えていてはいけない。今日の反省を生かし、内容にこだわったゲームにせねばならない。結果は後からついてくる。目の前の相手に集中し、持てる力の100%を出し切る。そんな試合にしたい。

(男子部監督 中川昌幸)