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戦評

平成27年度関西学生春季リーグ第6戦 対関西学院大学

春季リーグ第6戦、対関西学院大学。ここまで5戦全勝の関大。今日の試合、引き分け以上で優勝が決まる。そんな雑音が入る中、これまで通り無心で目の前の試合に集中し、絶対に気持ちで相手に負けないことが要求される試合である。

立ち上がり関大は速攻から三回生田辺、主将西塚らが連続得点し、幸先よくスタートする。しかしそこから攻撃陣にミスが出て流れは関学へと移る。ここでしっかりと守りたいところであったが、関学の気迫に押され、ディフェンスで後手に回ってしまう。二回生石田などで得点するも関学の圧力の前に攻撃ではミスが続く。前半終了時には12対18と6点のビハインドを負ってしまう。

ハーフタイム、気持ちで関学に完全に負けていることを指摘する。これまでチームでまとまり、気持ちを前面に押し出してきたからこそ何とか勝ててきた。しかし優勝のプレッシャーの前にディフェンスで足が動かず、オフェンスでは積極的に前を狙えなくなってしまっている。もう一度これまでの戦いを振り返り、関大のストロングポイントであるチームのまとまりや気持ちの強さを前面に押し出して戦うことを確認して後半へと臨む。

後半、ようやくディフェンスで足が動き出し、関学ボールを奪取する場面が増える。また攻撃では一回生重岡が好プレーを連発し、追撃する。しかし波に乗る場面で関学GKに阻まれ、一気に行くことができない。関大も三回生GK衣笠が気迫あふれるキーピングを連発し、味方を鼓舞する。しかし前半につけられた差は大きく2点差まで詰めたものの24対26で悔しい敗戦となってしまった。

情けない、本当に情けない試合をしてしまった。特に前半の戦いは最低である。優勝のプレッシャーの前に自分たちのプレーを見失い、勝手に転んでいる。人間の弱さが如実に出てしまっている。これまで(過去のチームもすべて)関大は相手にたとえ技術で劣っても気持ちでは絶対に負けない、このことを前面に押し出してきたからこそ上位に進出することができたのである。今日は技術はもちろん気持ちの面でも関学が上であった。そのことが本当に悔しいし、情けないのである。

今年のチームは技術はまだまだかもしれないが、これまでの戦いで先にあげた気持ちの部分は相手を上回り続けてきた。だからこそ勝ててきたのである。しかし優勝のかかる大一番でもろくも崩れてしまった。いくらそれまでの過程がよくても本番で実力が発揮できなければ何の意味もない。言うならばそれが本当の実力なのである。そのことを理解してほしい。試合は絶対に技術対技術ではなく、人間対人間である。すべてにおいての「人間力」を上げることが不可欠である。

また今日の試合はユニフォームが着れなかった仲間に対する裏切りである。応援席の者たちはユニフォームを着た仲間に自分たちの思いを託している。自分たちの代わりに仲間がコート上で自らの思いを体現してくれることを心より願っているのである。今日の試合でそれができただろうか。嫌な顔ひとつせず様々な雑用をしてくれるマネージャーや下級生たちがどんな思いで試合を見ているかわかっているのだろうか。彼らはユニフォームを着た仲間がコートで力を出し切ってくれることで初めて報われる。彼らに感謝し、その思いに報いることはコートに立つ者の義務であろう。そのことに気づいてほしい。そしてそのことに気づた時、きっと行動も変わる。それこそが先の「人間力」の向上へとつながっていくのである。学生たちには猛省を求めるとともに二度と気持ちで負けないということを誓ってほしい。

次はいよいよリーグ最終戦、対大阪体育大学である。昨年は二度も延長戦を戦いながら勝てなかった相手である。その相手と関大中央体育館で優勝をかけて戦うことができる。何という幸せなことだろう。もう今日のような試合は二度としてはならない。技術ではもちろん相手が上である。ならば関大の身上の「チーム力」で戦うしかない。そのためには木、金、土、この三日間の練習でどれだけチームとしてまとまり、今日の試合で出せなかった「絶対に勝つ」という気持ちを出せるかにかかっている。本当に大事な三日間である。しっかりした練習をし、次の試合では今日とはまったく違う姿を見せてほしい。

追伸:本日はOB諸氏を始めたくさんの方々に応援にかけつけていただきました。心より御礼申し上げます。その前で情けない試合をしてしまい、申し訳ない気持ちで一杯です。しかし次も勝てば優勝という状況には変わりません。必ず今日の試合とは違う姿をお見せします。次の試合も応援を賜りますよう何卒よろしくお願いします。

(男子部監督 中川昌幸)