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戦評

平成27年度関西学生春季リーグ第7戦 対大阪体育大学

春季リーグ最終戦、対大阪体育大学。火曜日、優勝を目前にしながら自らの弱さを露呈し、自分たちの力を発揮できないまま関学に苦杯をなめた関大。その後の練習で自分たちの100%の力を発揮するためには何が足りないのかを求め続けてきた。そして行き着いた答えは「絶対に気持ちで負けない」という極めてシンプルなものであり、チームのまとまりでも絶対に負けないというものであった。この決意を胸に優勝をかけて強敵と戦う。

立ち上がり関大は四回生柏木を中心としたアグレッシブなディフェンスが機能し、体大ボールを奪取、そこからの速攻で三回生恩塚が連続得点する。それに四回生熊代らが続き、4対0と最高のスタートとなる。その後、攻め込まれる場面もあったが、三回生GK衣笠が好守を連発しチームを盛り立てる。その後も主将西塚、二回生石田らの得点でペースを握り続け、14対10と4点リードで前半を折り返す。

ハーフタイム、ディフェンスが機能しているために流れをつかんでいるもののシュートミスなどで突き放せていないことを指摘する。しっかりとGKを見てシュートを打つこと、そして4点のリードなどないものと思い、最後まで守りに入らず、絶対に気持ちで負けないことを確認し合って後半へと臨む。

後半スタート直後、恩塚のパスカットから三回生金内が速攻で得点するなどでペースを握る。しかしディフェンスシステムを変更してきた体大に攻めあぐむ場面が目立ってくる。ミスが連続し、体大の速攻を浴び、1点差まで詰め寄られる。ここで関大はタイムアウトを取り、オフェンスパターンを確認するとともに絶対に気持ちで負けないことを確認し合う。タイムアウト後、三回生田辺のサイドシュート、三回生須田のミドルシュート、そして一回生重岡のカットインなどで再び流れを引き寄せる。守っても衣笠がビッグセーブで盛り立てる。終盤は完全に関大ペースとなり、そのままタイムアップ。28対20で勝利し、歓喜の優勝となった。

今日の試合は関学戦とは違い、関大の良さが十二分に発揮された試合だった。ディフェンスで足が動き、相手にプレッシャーをかけ続ける。そこからの速攻でペースを握るという関大本来の形が出せた。この形がこれまで勝ち続けてきた要因であり、関学戦後、もう一度自分たちの形にこだわり、しっかりと練習したことが今日の結果につながった。敗戦を糧とし、自分たちの姿を見つめ直したからこそ短期間で修正できたのだろう。学生には敬意を表するとともにそんなチームの監督をさせてもらっていることを誇りに思う。

また「絶対に気持ちで負けない」ことを実践できたことも本当に喜ばしいことである。口で言うのは簡単であるがコート上でそれを表現することは本当に難しい。そしてそれを60分間持続せねばならない。そのように困難なことをこの大一番で成し遂げることができた。部員の人間的成長を感じずにはいられなかった。今日の気持ちを忘れず、これからも精進してほしい。

何よりも今日の試合で良かったことはユニフォームを着たメンバーだけでなく、チーム全員で優勝を喜び合えたことである。ハンドボール部に入部した者なら全員が試合に出たいし、ユニフォームを着たいと思っている。しかしその思いをメンバーに託し、自らはサポートに徹する。その彼らの思いがその行動が報われたのである。それは試合終了直前に勝利を確信して号泣した三回生マネージャー吉田の姿に集約されよう。彼らにとっても忘れることのできない思い出となったことだろう。チーム全員で喜び合えたことが本当にうれしい。これからも強いだけでなく「いいチーム」であることを目指し続けたい。

しかし優勝したもののまだまだ発展途上のチームであることは間違いない。このリーグ戦でも試合ごとに好不調の波があった。今後はリーグ戦で出た課題を一つ一つ修正することが求められる。喜びに浸ってばかりはいられない。シーズンはまだ始まったばかりである。これからしっかりと練習することが大切である。学生とともに歩んでいきたい。

最後になりましたが、OB諸氏を始め、ご父母、関係各位には絶大なる応援を賜りました。ありがとうございました。特に今日の会場の雰囲気は最高でした。それが優勝への後押しとなりました。本当に心強かったです。これからも部員一同精進いたしますのでご指導ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願いします。本当にありがとうございました。

(男子部監督 中川昌幸)