戦評
平成27年度関西学生秋季リーグ第5戦 対桃山学院大学
秋季リーグ第5戦、相手は桃山学院大学である。前節の大阪経済大学戦ではそれまでの3戦とは見違えるような好内容の試合を展開した関大。その内容を続けてできるかが焦点となる試合である。
立ち上がり関大は三回生恩塚のカットインで先制点を挙げ、波に乗る。二回生永川のアグレッシブなディフェンスも光り、そこからの速攻で四回生柏木らで次々と得点し、差を広げる。一時は7点リードする場面もあったが、次第にディフェンスの間が広がったところを相手にうまく攻められ差が詰まっていく。それでも何とか16対13と3点リードで前半を折り返す。
ハーフタイム、序盤に機能していたディフェンスが徐々に広がってしまったために相手のカットインを許していることを指摘する。チームとしてのディフェンスの約束事を確認し、コートプレーヤー全員が連動して守ることを意識することを確認しあって後半へと臨む。
後半に入るとディフェンスが再び機能し始める。その中でも四回生GK清水の働きは素晴らしく、ディフェンスが追い込んだ苦しいシュートを確実に止めるばかりか、ピンチの場面でビッグセーブを連発し、完全にゲームを支配する。それに応えるように速攻で主将西塚、三回生田辺らで確実に得点していく。終盤には四回生玉置の連続得点などで突き放し、34対18と大差をつけての勝利となった。
今日は関大の良い面と悪い面の両方が出た試合である。悪い面はスタートでは機能していたディフェンスが時間経過とともに間が広くなり、崩れたことである。これに関しては精神面が大きく作用していると考える。試合開始からしばらくは無心で自らの役割を果たすことのみに集中していた。しかし、点差が開くと欲が出て安易なボールカットを狙ったり、カバーを怠ったりしている。常に平常心でできない、これこそが人としての弱さであり、脆さである。部員には猛省を促すとともにこれを糧とし、二度とこのようなことのないよう練習から取り組んでほしい。
良い面は一度崩れたディフェンスを立て直し、後半は前半以上に機能したことであろう。それは後半の5失点という結果が物語っている。ディフェンスが機能するとともに速攻での得点が増加し、トータルスコアも2試合連続で30点を超えることができた。これは評価できる点である。やはり関大の持ち味はスピードであり、それを活かすのはディフェンスである。全員が連動し、相手ボールを奪取するというスタイルを今後も続けていきたい。そして学生には常にそのことを念頭に置き、練習においてもこれまで以上に積極的に取り組んでほしい。それこそが関大の生命線であり、上昇のカギとなる。チーム全員でそのことを共有し、努力していきたい。
過去3戦の苦しい戦いを経て、この2戦でようやくチームは上昇ムードとなってきた。しかしチームとしてはまだまだ向上の余地を残している。リーグも残り2戦、相手は強豪ばかりであるが、さらなる向上を目指し、チーム全員で勝利に向けて前進していきたい。
(男子部監督 中川昌幸)