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戦評

平成27年度関西学生秋季リーグ第6戦 対大阪体育大学

秋季リーグ第6戦、対大阪体育大学。今リーグ、序盤の3試合は内容が非常に悪かった。しかし、4戦目からはまったくの別人であるかのように好内容の試合となった。本当にチームが変わったのか、強豪相手に自分たちの真の姿が問われる極めて重要な一戦である。

立ち上がり関大は三回生恩塚が鋭いカットインを決め先制する。二回生石田らも続き、ペースを握るかに見えたが、相手の強打を浴び、一進一退の攻防となる。しかし中盤、一気にゲームは動く。四回生熊代、二回生永川らを中心としたアグレッシブなディフェンスが機能すると相手ボールを次々と奪取する。そこからの速攻で主将西塚、四回生柏木らが次々と得点する。中盤以降ペースを握った関大が20対13と7点リードで折り返す。

ハーフタイム、7点リードしているが守りに入らず、常に攻めの気持ちを持ち続けることを意識することをアドバイスする。そして絶対に苦しい時間帯が来ることを覚悟するとともに、その時にどのようにプレイすることができるかが試合の行方を決めると伝える。全員でそのことを確認し合い、絶対に気持ちで負けないことを誓って後半へと臨む。

後半がスタートすると相手のプレスディフェンスに苦しみ、ミスを連発してしまう。それを速攻につなげられ、4連続失点し、3点差へと詰め寄られてしまう。ここでタイムアウトを請求する。ハーフタイムでの約束を今一度確認し合ってコートに戻る。落ち着きを取り戻した関大は三回生田辺のサイドシュート、一回生重岡のカットインなどで押し戻す。守っては三回生GK衣笠がビッグセーブを連発し、チームを鼓舞する。後半は一進一退の攻防となったが前半のリードを守りきりタイムアップ。31対25で関大の勝利となった。

今日の勝因はやはりディフェンスが機能し、相手の攻撃を分断できたことが大きい。コートプレイヤー全員が連動することで攻撃を封じることができた。今リーグ序盤はこのディフェンスの形が定まらず、本当に苦労した。しかし4戦目以降は形が定まったために安定したディフェンスができている。それが好内容へとつながっている。これを持続したい。

またディフェンスが良化したことはオフェンス面にも好影響を与えている。特に守ってからの速攻の得点が伸びたことで得点数が増加している。4戦目以降は3戦連続で30得点以上を記録している。ひとつのファクターが良化することでさまざまなところに波及していく好例である。もちろんその逆も起こりうる(事実、序盤3戦がそうであった)。内容が良くなったことに浮かれることなく、地に足をつけてより高みを目指したい。

今日の試合で反省すべき点は、後半開始直後、相手が高いプレスをかけてきたとき、ミスをおかして逆速攻へとつなげられ、一気に点差を縮められた場面であろう。シュートを打つところまで行けないミスは命取りとなる。この点をしっかりと認識し、練習の場面からこれまで以上に徹底していきたい。

今日の試合では先述のような苦しい場面でも押し返し、勝利することができた。これが最大の収穫である。チームは序盤の苦しい戦いを経て、確実に成長している。それが試合での気持ちの強さにつながっている。序盤戦の苦しかったとき、晴れない雲はないと信じて部員全員で努力したことが結果につながっている。絶対にそのことを忘れないでほしい。

いよいよ次週は最終戦、優勝をかけてホーム関大中央体育館で関学を迎え撃つ。春季リーグ、優勝はできたものの王手をかけた試合ではプレッシャーに負けて関学の前に涙を飲んだ。その悔しさ、情けなさは忘れることはできない。それを晴らすときがやってきた。何が何でも勝ちに行きたい。勝って優勝することで序盤の苦戦が成長の糧となったと心から言えよう。激しい試合となることは間違いない。部員全員でこの大一番を楽しみ、勝ちきって喜びあいたい。

(男子部監督 中川昌幸)