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戦評

平成27年度関西学生秋季リーグ第7戦 対関西学院大学

秋季リーグ最終戦、対関西学院大学。秋季リーグ緒戦を落とし、その後も物足りない内容の試合を続けた関大だが、4戦目以降、見違えるような内容で勝ち進んできた。勝てば創部史上初の春秋連覇というこの試合にかける学生たちの思いは強い。一方、関学も46年ぶりの優勝がかかり意気軒昂である。激戦必至の最終戦が幕を開ける。

立ち上がり、関大は動きが硬く、オーバーステップなどのオフェンスファールでボールを失う。そこを関学は見逃さず、3連続失点してしまう。三回生田辺がミドルシュートを決めるも、関学の優位は変わらず、試合は中盤へと進む。その重苦しい展開を三回生GK衣笠がビッグセーブで断ち切る。そこから四回生柏木、二回生石田らで得点、そして四回生山本紘が7mスローを決めるなどして一気に逆転に成功する。終盤は関大が優位を保ったまま前半を終了。12対10と2点リードで前半を折り返す。

ハーフタイム、2点リードなど意識せず、後半も守りに入らず、気持ちのこもった試合をすることを確認し合う。そして気持ちを前面に出し、絶対に勝ちきることを誓い合って後半へと臨む。

後半は立ち上がりから四回生熊代、二回生永川らを中心としたアグレッシブなディフェンスがフルに機能する。再三にわたり関学ボールを奪取する。攻めては主将西塚、三回生恩塚らが次々と得点し、連続得点で一気に突き放す。終盤にも一回生重岡が要所で得点するなどで終始関大ペースを保ち、28対20で歓喜のタイムアップ。創部史上初の春秋連覇を成し遂げた。

この試合の勝因と言うより今リーグの勝因は、何と言っても序盤の3試合の経験に尽きる。緒戦の同志社戦でつまづき、近大戦、京産戦と苦しい試合が続いた。その苦しい経験が十二分に発揮されたと言えよう。その後、故障者が戻り、メンバーが揃った4戦目以降は春季リーグ、西日本大会を上回る試合内容で勝ち進むことができた。もちろんメンバーが揃ったことが大きな要因ではあるが、苦しい試合での経験が彼らをより成長させたと考える。苦しい経験を糧とし、自らの成長へとつなげてくれた部員たちに感謝したい。

しかし、本当に強いチームならば序盤の苦しいチーム状態でも試合でどれだけ苦しんでも勝ちきるだろう。それができなかったということはまだ本当の強さは備わってはいない。逆に言えばまだまだ伸びしろがあるということである。優勝に浮かれることなく、しっかりと反省するべきところは反省し、次に備えていきたい。

今リーグの優勝は試合に出るメンバーだけでなく、45人の関大ハンドボール部全員で勝ち取ったものである。苦しかった時期、自らを後回しにしてもチームのために仲間のサポートに回ってくれた上級生、常日頃から一生懸命に下働きをやってくれた下級生、いつも献身的にチームを支えてくれたマネージャー、選手のコンディションを常に考えてくれたトレーナー、このようにユニフォームを着るメンバーだけでなく部員全員の想いが結集して優勝という結果を勝ち取ることができた。そのことが本当にうれしい。

試合終了後、関係者から「関大のチーム力は素晴らしいものがある」というお褒めの言葉をいただいた。『「強いチーム」より「いいチーム」と言われることに価値がある』、以前からこのことを強く意識し、部員たちにも説いてきた。そして「いいチーム」が強いと言われるようになろうとも言ってきた。先の関係者の言葉はまだまだ未熟ではあるが、少しずつであるが「いいチーム」に近づけているその証しではないだろうか。努力の方向性は間違っていなかったと身の引き締まる思いである。口で言うほど簡単なことでないことはわかっている。しかし、これからも部員たちとともに「いいチーム」を目指し、一歩一歩、地に足を着けて歩んでいきたい。

最後になりましたが、多忙にもかかわらず毎試合会場に足を運んでいただき、激励していただいた部長先生、遅くまで練習する部員たちにさまざまな便宜を図ってくださった体育館の管理人様、後輩たちを叱咤激励してくださったOB諸氏、そして部員たちを常に温かく見守ってくださったご父母の皆様、それ以外にも関大ハンドボール部を支えてくださる皆々様、おかげさまで何とか春秋連覇を達成することができました。これからも信念を曲げず、頑張ります。今後とも関大ハンドボール部へのご支援を賜りますよう何卒よろしくお願いします。本当にありがとうございました。
(戦評をUPするのが大変遅くなり、申し訳ありませんでした。)

(男子部監督 中川昌幸)